あなたは今、社会の変化についていけていますか。
この質問に、いったいどれくらいの人が「はい」と答えることができるでしょうか。21世紀に入って社会の変化はめまぐるしく、労働を取り巻く環境は刻一刻と変化を続けていますが、ほとんどの企業がその動きについていけていません。
なぜだと思いますか?
我々は、旧態依然とした常識の先にある、「個人」と「会社」が共に輝き「成長」する。「事業の変革」と「個人の成長」を同時に達成させる。そんな環境下で発生するWinWin、シナジーの可能性を企業は見ようとしていないからではと考えています。
トリクルダウンの社会はもう存在しない。
トリクルダウンとは「富めるものが富めば貧しい者も富む」という経済理論の事を言います。これを組織に置き換えれば、組織の利益が社員である個人の利益へ還元されると言う意味になります。
ここでいう利益とは、当然お金の事も含みますが、それだけでなく情報や知識という無形の富も含むと考えてください。
これまでの社会では、組織の方針と組織の能力が労働者の能力としてトリクルダウンしてきました。そして、それを可能にしていたのが、画一化され変化に乏しい社会の形。
個々の常識や価値観がある程度統一されていた時代であれば、会社のもたらす知という価値は全社員にも統一して浸透し価値となったわけです。しかし、社会が大幅に変化の速度を速め、価値観や美意識がより個別に分裂し始めた現在においては、この考え方では通用しません。
もう、上から降りてくる利益を当てにしていてはいけない時代なのです。それどころか、今や個の価値観が組織そのものの価値観を変えてゆく、そんな時代へと確実に変化しています。
個の成長無くして組織は成長しない
つまりは、これからの組織は、そこに属する個によって成長していくという事です。そしてそれは、組織から画一的に下りてくる価値観ではない為、各自が個として、その価値をクリエイトしていく必要があります。
そう、つまりこれからの時代全ての労働者はクリエイティブ・ワーカーでなくてはいけないという事です。誰かの作った価値観を踏襲して、その通りに行動する、そんな労働は終わりを告げます。それはAIが確実に正確に代替していきます。
これからの労働は、新しい価値観を自ら創造し、自分の価値観を組織に反映させることを目的に、クリエイティブな思考をもって労働する能動的な意思こそが重要です。
今こうしている間にも、ものすごいスピードで社会は変化を続けています。価値観は分化し、消費者の行動は統一感をなくしてそれぞれの個として新しい価値観を生み出し続けています。企業という名の組織は、その分裂する価値観に、ついていかなければ、対応できない時代が今です。
そのためには、いかに個が成長とともにサイズアップし、そして得られた知という価値を組織とすり合わせていくかにかかっています。当然組織は成長しようとし、それを構成する個も成長を目指す。お互い成長のすり合わせをすることが、全体としてのシナジーを生み出す原動力になりえます。
働き方改革という組織から降りてきた価値観の欠点
現在、アベノミクスの一環として国から働き方改革という価値観が国民にもたらされています。これは、労働者の働く時間を制限しよう、多様な働き方に対応しましょう。という政策ですが、皮肉なことに、この働き方改革は、個の力を引き出しシナジーを生み出す、生産的な働き方と一致しません。
個人が価値を創造するクリエイティブ・ワーカーとならなければいけない時代において、核心に迫る理由がしっかり存在し、伝達されているのであれば大いに結構な話ですが、改革とまでは言い難い、薄っぺらな内容に終始しているように感じます。
創造、つまりクリエイトするという行為は、時間に比例して結果が得られるものではありません。クリエイトの結果得られる成果は、氷山のように、水面下に膨大な量の知識や経験という名の氷塊を抱えて初めて水面に顔を出す部分です。そして、その水面下の氷塊を育てるには膨大な知識と時間が必要です。
たとえば、Googleが推奨していた有名な20%ルール。その20%のリソースは、まさにこの水面下の氷塊を育てる時間にあてたことで、新たな事業がいくつも生まれてきました。
この本質が曖昧なまま進め、本来の生産性や成長を考えずに、定着化させるだけでは、水面下の氷塊ばかりが量産されることになるでしょう。
必要なのは目的を前提とした効率的なすり合わせ。
とはいえ、働き方改革は国の政策ですから、多くの議論の上に成り立ち、企業がそのレールに乗りつつあります。そうであるならば、その国によって限られてしまった時間の中で、いかに無駄のない、生産性の高いクリエイティブ・ワークをしていくかが最重要な論点ではないでしょうか?
つまり、いかに20%ルール同様、余白の時間を作っていくかという事が大事です。企業は、クリエイティブの可能性を理解し、「見えない価値」を生み出す環境を提供しなければなりません。そして個人は自らの成長を会社のミッションすり合わせ、自己成長しなければなりません。そのために必要なのが、組織と個が「信頼」という関係で成り立つ、両者歩み寄りの姿勢です。
現状、日本の企業は、根回しや形式、肩書きにこだわる傾向が顕著である為、莫大なる無駄な時間を費やす要因になっています。
一人ひとりの意思や能力、そして置かれた個々の事情に応じた、多様で柔軟な働き方を選択可能とする社会を追求する働き方改革を進めていくことで、人々のワーク・ライフ・バランスの実現、生産性の向上を目指し、企業文化や風土を変えよう。
これが国の働き方改革の基本方針です。いかに企業や個人に浸透せず、言葉だけが形式的にできてしまった感は否めません。
もし、この時間を効率化することができれば、クリエイトするための余白が生まれるだけではなく、そのクリエイトが組織の目指す方向と同じ方向を向いているかの確認を常に取れることになるはずです。そのためには、組織上層部や上司には、必然的にコミュニケーションスキルなどのソフトスキルが求められます。
また同時に、組織は、それを構成する個の、仕事というものに対する考え方を常に把握しなければいけないでしょう。
このように個が自由な価値観でクリエイトできるようなフレキシブルな環境を保ちながら、常にフィードバックするシステムを持つことがすり合わせを効率的に行う一番の解なのです。
私たちレバレッジシェアの想い
私たちレバレッジシェアが社会に貢献するミッションは、新しい組織と個の想いをカタチにしていく。その為に「事業の変革と個人の成長を同時に達成させる」「想いや夢」が「カタチ」になる「方法・プロセス」を具体的に発信することだと思っています。
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LeverageShare編集部
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