「見える化」に必要な視点
今後のビジョンを実行に移す為、「見える化」して「ノウハウ」の蓄積をしよう!
こんな風に思っている方々は結構多いのではないでしょうか?
最近、関わっている人達が共通認識を持てるように「見える化」というキーワードをよく耳にします。売上や業務と言った「結果」として見えるものに対して、知識や知恵、ノウハウ、プロセスなど、頭の中にある暗黙知を個々から引き出す為の手法が「見える化」の本質です。
暗黙知であるが故に、その価値は見えない為、模倣されにくいメリットと、表面化されにくい為、その価値自体、伝わりにくいデメリットが存在します。今回は、「見えないもの」を「見える化」することで得られる相乗効果と、その実践方法にフォーカスしてお伝えします。
「見える化」は、ただ単に「見せる」だけではありません。目の前の事柄をきちんと「見る」、そして必要なことを「見える」ようにする、という全く違った角度から、考える必要があります。
正しい「見える化」とは、企業活動上に存在するあらゆる問題を誰もが明確に意識できるような状態を作り出すことにあります。しかし、現状では、様々な情報を提示さえすれば、それが「見える化」である、と勘違いしている方が多いようです。
では正しい「見える化」とは具体的にどのような状態なのでしょうか?
「見える化」することで分かること
「見える化」は、その分かりやすさによって、誰が見ても理解でき、共通認識をもたらすことを最大のテーマとしています。
事業の方向性や、コンセプトメイクなど、一見、個々の感覚で判断されにくい要素に強烈な指針とメッセージを宿します。「問題」「状況」「顧客」「知恵」「経営」という5つの分類が経営上、最も大事な要素と言われていますが、この中でも最も重要なのは「問題」と「知恵」の「見える化」です。
「問題」とは企業の最前線とも言える「現場」で起こるもの。現場で起こっている問題を、企業全体で共有できれば、経営全体としての「見える化」が可能になります。
働く人々全員が同じように状況を把握し、問題点を認識することができれば、企業全体の成長が見込めます。情報を羅列するだけなら誰にでもできますが、多くの情報を提示したところで、本当に見てもらいたい人が注意を向けてくれなければ、情報提供の方法が間違っていると言わざるを得ません。
2つ目は「知恵」の見える化です。「知識」ではなく「知恵」です。
いくら高尚な戦略があったとしても、それを提示し「共通認識」を持って実行させることは、言う程簡単ではありません。又、変化激しい今の時代、絶対的な答えなど存在しません。大事なのは、点と点を線でつなぎ、新たなものへ昇華させるアイデアです。価値観ギャップを否定せず、自分と真逆の価値観、背景を持った人と積極的につながりましょう。
「見える化」が正しく実行できれば、見たくても、見たくなくても、本人の意思に関わらず、目に飛び込んでくるような情報提供ができるはずです。「見える化」により、何を改善すべきかを理解することができるため、全体で同じ目標を共有して行動できるようになるわけです。
「見える化」の本質と実践!
良い部分だけに目を向けるのではなく、改善するべきことが見えなくては、成長は期待できません。人間の本質的な傾向として「見えている」問題があれば、それに向けて対処しようとします。
つまり、問題解決に向けて行動を起こすことができると言われています。「見える化」の考え方はこの心理を基本理念としています。情報共有を目指しても、その情報が伝えたい相手に届いていなければ、その先にある「行動」は期待できませんよね。
企業全体で同じ問題解決という目標を共有したいのであれば、情報を届けたい相手の意思にかかわらず、まずは問題を、問題であるように「見える」状態を作り出さなくてはいけません。そうすることで、人間が誰でも持っている「責任感」「能動性」「やる気」を引き出し、企業全体としての成長促進へとつながります。
問題の対象となるのは「異常」「ギャップ」「シグナル」「真因」「効果」の5つです。問題(異常)に気づき、目標と現状とのギャップに気づき、それを発信します。これがシグナル(速報信号)です。そのようにして知らせた問題点の根本的な原因を探ります(真因)。そして、改善に向けて問題解決を図り、その結果(効果)を検証するのです。これらを行うことで、組織としての学びが深まります。
「見える化」によって促進される「気づき」と「成長」
「見える化」によって、「気づき」「思考」「対話」「行動」が刺激されます。現状をどれだけ理解できているかの把握、どの情報を「見せる」かの判断、「見せる」タイミングの選択、適切なツールの使用(アナログvs. デジタル)、分かりやすさ・伝わりやすさを意識した提示方法、相手に気づきを促す仕組みづくり、問題点を把握した後の対策。
これらの複雑なプロセスの中で、実績・成果・失敗を繰り返し、本質的な問題を共有しながら企業全体は賢く成長していくことができます。
弊社レバレッジラボが提案するアプローチは「見える化」の本質により、経営陣と現場の間に存在する「ギャップ」を見極め改善することを基本原則としております。これにより「気づき」が生まれ「共通認識」が見出され「組織学習」が加速するのです。
「見える化」によって得られる「気づき」は、事業にシナジー、レバレッジを起こし、やがて組織が能動的に、最短ルートの「成長」を促していきます。常識というバイヤスを外し、何よりも「気づく」ことの大切さを意識することからはじめてみてください。
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LeverageShare編集部
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