
STEP1,2で戦略シナリオ(あるべき姿)の在り方を明確にしてきました。
■STEP3,4,5【マーケティング「売れる仕組み」の創り方】
あらゆる業務はマーケティングの上に成り立っています。業界や組織の慣習に課題を感じる時、業務スキルを磨く以上にマーケティングが成果を高める原動力になります。
使用する媒体やツール、クリエイティブを先に決めて、ロジックを後付けした企画書。論理を軸にリサーチ結果をまとめただけの感動のない企画書。どちらの方法も現場の効率重視で、これまでならば成果も出たかもしれません。
しかし消費やメディア、クリエイティブに対する価値観に大きな変化が起きている今、効率的に慣れた頭で企画・提案を行うと「とりあえずソーシャルメディアを使おう」などと表面的な手法だけで課題を解決しよとし、成果が上がらず負のスパイラルに陥ります。さらに、効率化を進めるほど、現場担当者の自ら考え以後く筋力は落ちていくもの。
そこで生活者の消費行動と企業のコミュニケーションの潮流が変わろうとしている今こそ、一人一人がマーケティングを上流から考え、戦略を根本から見直すだけの、基礎体力を身に付けなければなりません。
■STEP3「マーケティング基礎編」

1 「売れる仕組み」を創る最重要3ステップ
2 改めて差別化の定義を考える
3 顧客をど真ん中に置いて考える
「売れる仕組み」を創る最重要3ステップ
マーケティングと聞くと急に苦手意識を持ってしまってはいませんか?成熟市場になった今、マーケティングの工夫は会社の売上げ向上に不可欠です。決して全ての方が専門的な技能を時つ必要はありませんが「マーケティング思考」があるかないかで仕事の成果に大きな差が出てきます!
今回お話する「マーケティング思考」は 平たく言えば「儲ける」ための考え方です。マーケティングは物を売るための「マニュアル・設計図」だと思ってみてください。
では、「マーケティング思考」とはいったいなんなのか。それは
1「知る」
2「創る」
3「届ける(仕組む)」
この3ステップを実践することです。「え?これだけ?」 と思った方もいるかもしれませんでも、これが全てなんです。「知る」とは、お客様を知る、自社を知る、競合を知ること。お客様は誰か、何を求めているか、どこでいつ購入するのか、それはなぜか…お客様の行動や属性をしっかりと「知る」ことが重要です。
「創る」とは、お客様に向けた価値を創ること。お客様は価値の対価として金銭を支払います。価値がない商品に、お金を払う人はいませんよね。ある人は価値を感じても、ある人は感じないこともあります。プリクラに惹かれる多くは女子であって、おじいちゃんではありません(古すぎですね)消費者の嗜好性が多様化している今、価値を定義し「創る」ことはマーケティングの根幹をなします。
「届ける(仕組む)」とは、 創った価値をお客様に確実に届けること。お客様は数ある選択肢の中から自社の製品を選択します。他の選択肢に勝つには、何らかの仕掛けが必要です。それは広告なのか、店頭の陳列やWEB掲載なのか、どうすれば伝えたい事がお客様の目に届くのか考え、設計していきましょう。
「マーケティング思考」で重要な3つの要素
・「知る」
・「創る」
・「届ける(仕組む)」
の意味は分かりましたか?
更に詳しいことは、STEP5『マーケティング(売れる仕組み)実践編』でお伝えしていきます
改めて差別化の定義を考える
「マーケティング思考」について理解したところで、次「どうすればお客様から選ばれるか」 を考えていきましょう。
結論から言いますと、重要なのは、企業哲学、コンセプト、サービス、接客などから一貫したメッセージを発信することです!
「お客様が本当に 求めている価値は何か?」 を分析していけば、顧客に対して他社はできないが、自社にはできるこ「バリュープロポジション」 を創りこむことができるはずです。バリュープロポジションは、言い換えれば、自社の「強み」。「強み」は育てていくことで、おのずと差別化要因に なっていきます。決して安易に、価格競争に自らの身を投じないで下さいね…。
顧客をど真ん中に置いて考える
先程から顧客ニーズの話がよく出てきますが「知る」「創る」「届ける(仕組む)」の中では「知る」 が一番重要なんです。どれだけ顧客の深層心理に迫り、顧客ごとの異なるニーズを見抜くことができるかが自社の命運を握ります…!仮に顧客ターゲットを決めて、ブランド一丸となってビジネスを推進したとしても、顧客のニーズと自社の想いに乖離があったら意味がありません。関わる人も、物も、サービスも骨折り損のくたびれ儲けになってしまいます…。
会議室の議論で顧客について「こうじゃないか」「ああじゃないか」と白熱する前に、まず外に出ましょう!顧客に話を聞いたり、顧客になったつもりで生活してみたり。現物、現場を自分の肌で感じると、予想以上に多くの発見を得ることができます。地道な作業に思えるかもしれませんが、机上の空論よりもずっと実践的で確実です。
■STEP4『次世代型マーケティング』

1 ネットワーク戦略(共創)の可能性
2 ソーシャルマーケティングの可能性
1 ネットワーク戦略(共創)の可能性、次世代型マーケティングは大きく2つの分野に別れます。
① お客様と共に価値を創造する
② 自社に足りない経営資源を 他社とのアライアンスによって補完する
なんとなくイメージできますか?少し分かりづらいですよね。では、例を挙げながら1つずつ考えてみましょう。
お客様と共に価値を創造する
無印商品のホームページをご覧になったことはありますか?もし知らなければ、是非見てみてください。一般的な企業ホームページと少し違い「ほしい無印良品を提案するサイト」と題したコュニティサイトがあります。
簡単に言うと、お客様が「こんな商品をつくって欲しい!」 とアイデアを気軽に投稿することができます。しかも、投稿された提案への投票が1000票を超えると無印良品が本格的な商品化に向けて開発を始めます。
そう、まさに「お客様と共に価値を創造する」 マーケティングをしています!モノが溢れる現代、売られている商品だけでは欲求を満たしきれない消費者達は満足できる商品を自らつくろうとします。
このような消費者と生産者の両方の側面を持つ人たちのことを「プロシューマー」と言います。企業の側からしてみれば、プロシューマーと組むことは、消費者のニーズに合った商品作りに繋がります。消費者と生産者の距離を縮め「お客様と共に価値を創造する」 マーケティングを 考えていきましょう!
自社に足りない経営資源を他社とのアライアンスによって補完する
もう何度もお話しましたが、現代の業界・業種はかなりシームレスになっています。業界内での争いが業界内で完結するケースはかなり少ないです。
今は異業種からの新規参入もあれば、代替品の脅威も考えられます。「視野を広く持とう…! でも1社で出来る事は 限られてるしなぁ…」そう思う方も多いでしょう。実際、どの会社も人材、ノウハウ、資金は限られています。だから、ここで「戦略提携(アライアンス)」の考え方が重要になってくるのです!
アライアンスの本質は「強み」と「弱み」の相互補完。不足したノウハウの吸収、業務効率のアップ、提携先の新規顧客囲い込みなど、チャンスを一気に広げます!特に経営資源が不足しがちな中小・ベンチャー企業には有効な戦略でしょう。
ソーシャルマーケティングの可能性
次は、今話題のソーシャルマーケティングについてお話します。思えば時代の変化に伴って、市場のニーズ、価値観は大きく変化してきましたね。
・マーケティング1.0 「製品中心の時代」
・マーケティング2.0「情報の時代」
・マーケティング3.0 「価値の時代」
現在はマーケティング3.0「価値の時代」です。物資的欲求から、本質的な精神的欲求へ人々の価値観が変化してきています。モノの充足よりも、心の充足が求められているのです。また自分よりも、つながり、関係性を大事にしたいという、他者への貢献意識も社会全体で高まっています。
この現象は日本だけに限りませんが、3.11後、消費の意識が大きく変化したことは、皆さんも既にお気づきなのではないでしょうか?あれから急に注目度が跳ね上がったものがありますよね。
そう、「ソーシャルネットワーク」です。ここにマーケティングの可能性があります。言い換えれば、「人々の行動に焦点を当て、 社会的課題の解決のために行動を促すマーケティング」です。例えば「お買い上げ金の5%を義援金として寄付されます」「いらない靴を途上国の 子供達に寄付します」などがそうです。
いつもの消費活動で、社会的問題の解決に貢献出来ると聞いたら、自ずとそちらの商品を選びたくなりますよね。ならば、そこで自社のサービスを選んでもらうにはどうしたらいいのか?欲求ポイントを深堀した新たなビジネスモデルが必要です。
■STEP5『マーケティング(売れる仕組み)実践編」
実践をバックアップする資料を用意しました。投稿最下部にも掲載しています。こちらを参考に読み進めてください。
http://leveragelabo.com/kanri/wp-content/uploads/2014/10/mail_step6.pdf
今回は全7回の中でも特に重要な「核」となる部分!添付資料も参考にしながら、しっかり学んでいきましょう!アジェンダはこちら!
1 R-STP-4P-4Cを体系化してシンプルに考える
2 セグメンテーション⇒ターゲティング⇒ポジショニングの絞り込み方
3 顧客の購買行動を定量・定性的に捉えて施策を立てる
R-STP-4P-4Cを 体系化してシンプルに考える
STEP4「マーケティング基礎編」の内容を覚えていますか?そう、マーケティングは、
・「知る」
・「創る」
・「届ける(仕組み)」
の3ステップが全てだとお伝えしましたね。これを体系化したのが「R-STP-4P-4C」です。
R (リサーチ)
S (セグメンテーション)
T (ターゲット)
P (ポジショニング)
4P (商品、価格、 立地、販促活動)
4C (顧客価値、顧客負担のコスト、利便性、コミュニケーション)
それぞれどういうことなのか、マーケティングの3ステップを念頭に考えていきましょう。大事なのは「仮設」を立て、「リサーチ」し、「ギャップ埋める」こと!まず「仮説」については…
・顧客像(誰に)
・顧客ニーズ(何を)
・差別化出来る内容(どのように)
にしっかりフォーカスすることが重要です!コンセプトに市場のニーズとブランドの想い両方を込めましょう!次に「リサーチ」について…本格的なマーケティング活動はここから始まります!「仮説」に囚われ「リサーチ」に手を抜くと、主観的な思い込みで走り出してしまい、事業はもって3年です…。「勘と経験と度胸」だけでは勝てないことを くれぐれも肝に 命じてくださいね…!まず、マーケティングにおいて重要な3つの考え方を確認していきましょう!
1 顧客中心主義
2 長期的視点
3 一気通貫
顧客の心の琴線に触れる活動が、企業に利益をもたらします。お客様は誰?価値は何?仕組みはどうやって?は、しっかり明確化することが重要です!具体的には外部環境分析から内部環境分析までマクロな視点からミクロな視点に絞り込んでいくイメージです。イメージが湧かない方は、添付資料の体系図を参照してみてくださいね。
「仮説」を立て、「リサーチ」をしたら、最後は「ギャップを埋める」ことを考えます。仮設とリサーチの間に見つかった「市場とニーズの乖離」を解決していく作業です。「バリュープロポジション」をしっかりと見極め、戦う市場、顧客像をがっちり特定していきましょう!物でもサービスでもない自社の「価値」について、時間をかけて熟考してください!ベースが固まれば、細分化して考える時「あれ?これでいいのかな…」と混乱することもなくなります。
セグメンテーション⇒ターゲティング⇒ポジショニングの絞り込み方
この概念は既にご存知かと思いますので、改めてあまり多くは説明しませんね。絞り込む上で特に重要なポイントについてのみお話します!絞り込む際に最も怖いのが、曖昧さを残してしまうこと。曖昧な程、現場で意思が分散されやすくなってしまいます。多くの企業、ブランドで勃発している切実な問題です…。
結果、同質化の加速による価格競争に巻き込まれる…、なんてことも往々にしてあります。曖昧さを回避し、個人個人の解釈の違いを避けるため、明確な「シンボリックターゲット」を決めましょう!「こんな感じの人~」 というだけではなく、ライフスタイル、趣味、年収、影響を受ける人など徹底的に「プロファイリング」していくことが重要です!
そのためには、「何を」「どこを」を調べるか、しっかり目的を定めたリサーチが必須であることは言うまでもありませんね。競合店の動向把握をリサーチするよりも前に、まず「人」を見ましょう!例えば私は、よく「スタバ」で人を観察します。マトリックスシートに事前に知りたい要素を用意し、正の字を書いていく古典的な手法です。しかし手に取るように「傾向」が見えてきます。本当に!競合ショップを見て回るのはその後です。
データの裏付けを意識して回ります。これを習慣づけると、新しいモノ・コトとの出会いが増えるのでオススメです!ストック情報と新情報の掛け合わせることで、更にワクワクするストーリーが生まれることがあるんです!この部分について、本当はもっとお話したいことがあるのですが、残念ながら今回のセミナーだけで補うことはできません…。もし興味がある方はレバレッジシェアまで御連絡ください!唯一無二の「アイデアマネジメント」 の全貌をお伝えします!
顧客の購買行動を定量・定性的に捉えて施策を立てる
さて、皆さんは商品を購入する時どんな感情で、どんな手順で商品を手に入れますか?このような購買行動に注目した手法を「マインドフロー」と言います。そもそも、お客様は自社の商品・サービスをどれくらい知っているのでしょうか?知らない商品は買えませんし、知らないお店に行くこともありませんよね。つまり、買うかどうか考えてもらう以前に、まず「知ってもらう」必要があるんです!!
幸か不幸か、現在はITの進化により過大なプロモーション費用をかけずとも、お客様に認知してもらいやすくなりました。創意工夫次第で大きな成果を得ることも十分出来るのです!ここで、「従来型の購買行動」と「現在の消費者行動」 それぞれのフェーズを見ていきましょう。
・従来型の購買行動
1. A (ATTENTION・注目)
2. I (INTEREST・興味)
3. D (DESIRE・欲求)
4. M (MEMORY・記憶)
5. A (ACTION・行動)
・現在の消費者行動
1. A (ATTENTION・注目)
2. I (INTEREST・興味)
3. S(SERCH・検索)
4. A(ACTION・行動)
5.S (SHARE・共有)
注目すべきは、後者に「検索」の段階があることです。現在の消費者は、商品やサービスを検討する際「検索」行動を取ります。検索の後、購入し、気にいった物や事があればSNSやブログで情報を「共有」します。
ただ、ここに盲点があります。これらは消費者の自発的行動であり、決して企業側がつくりだした状況ではない点です。特にマーケティングの概念自体が浸透していない業界では今も昔も、商品を作ってデータを管理する業務効率を優先する事が正しいとされています。もう今すぐにでも、購買行動一つ一つに明確な施策を打つべきです!
・注目されるには◯◯をする
・興味を持ってもらうには◯◯をする
・検索してもらうには◯◯をする
というレベルまで、顧客ニーズを予測して購入までの導線を作り込む必要があります。今伸びている会社は、ネット上での検索ヒットを重視したコンテンツマーケティングを確実に実行しています。新たな流れに乗り遅れることなく、固定概念や先入観から脱却し、新たな成長を貪欲に求めていくことが重要です!
最後に
最後に、マーケティングは一部の人が考えて実行すればいい、というのは市場が成長過程にあった時代の全く古い考え方です。今は成熟市場。工夫をしなければ売り上げは伸びません。マーケティングは会社に所属する全員が理解し、実践する考え方へと範囲を広げなければいけません。マーケティングという言葉や考え方に対して抵抗感を持たずに、これをきっかけに、積極的に「学び」「挑戦」する人が増えることを願っています。

The following two tabs change content below.

LeverageShare編集部
これからは「個人」と「会社」が共に輝き成長する時代です。
「Leverage Share」はシェアする時代の新しい仕事づくりを支援します。
奪い合うのではなくて分かち合う、そんなきっかけとなる記事を投稿していきます。

最新記事 by LeverageShare編集部 (全て見る)
- 激変する時代に『PDCAサイクルは通用しない!』革新的なアイディアを生み出し続ける方法 - 2018年11月16日
- 成長の羅針盤『Jカーブの法則』を理解して「やり抜く力」を身につける! - 2018年9月17日
- 『物事の本質を見極める力』最小の時間で成果を最大にする思考とは? - 2018年9月11日