「大手企業に優秀な人材がいない・・・。」最近、よく耳にするフレーズです。
終身雇用制度が崩れ去って、企業が日本型からグローバルスタンダードへの移行をほぼ完了しつつある今、ビジネスの現場では深刻な人材流出の問題が露呈してきています。
しかも、ただの人材流出ではなく、優秀な人材から率先して流出していく。このような現状を踏まえて、今の日本の企業のあるべき姿を考えてみたいと思います。
これまでの企業は硬直した垂直型。
人材の流出を防ぐ手立てを考えるときに、まず考えなければいけないのは「なぜ人材は流出するのか。」ですよね。
その答えは、日本の旧来的な「垂直型」の企業体質にあります。いわゆるトップダウンですべてが決まっていき、下に行くにつれ、権限も自由度も少なくなっていく「軍隊式」とでもいうべき企業体質。この体制、まだまだ多いのではないでしょうか?
昔はこれが当たり前だった為、優秀な人材も、そのスキルを使って上を目指して上っていくことしかできませんでした。まったく業務とは関係ない些事にまで気と時間を使い、ため息を漏らしながら登っていくしかなかったわけです。しかし、今は違いますよね。
より自分を活かせるフィールドは優秀な人間ほど見つける
かつては、「垂直型」の企業体質でも、優秀な人材はその中で登ることを考えて留まってくれました。しかし、今の時代にそんな我慢をする必要はありません。
自分のスキルを十分に活用でき、また十分に対価を得ることが出来る企業やフィールドに移ることが昔ほど難しくないのですから、当然です。
しかも、そういうフィールドを求め、成長しながら新たなステージで経験を積もうとする人材は確実に増えています。
こうして、自由度のない「垂直型」の企業からは優秀な人材から流出していき、人材のドーナツ化現象とでもいうべき事態に陥っている企業を多く見ます。
これは、わが世の春を極めていた日本の家電業界の今の姿を見ればわかるように、大企業であっても同じことです。
むしろ、そんな大企業ほど体質の改善は難しい為、より危険であるとさえ言えますね。
水平型企業への移行が今後のカギ
では、これからの企業はいったいどうすればいいのか?
それは「垂直型」から「水平型」への移行こそがそのカギではないでしょうか。
つまり、トップダウンで下に行くほど権限が減っていく従来型ではなく、優秀な人材がそれぞれのフィールドでそれぞれに裁量権と自由度を確保できる企業の在り方。
たとえば、個々のプロジェクトが企業内ベンチャーといっていいほどに自由に活躍し、企業の幅とバリエーションを広げていくような、横に広がっていく企業体の形です。
そして個々の場所で、多くの人間が自由度と裁量権を持って活躍できる環境が整えば、人材はリスクを冒して外へ流出することは減ってゆくはずです。
まとめ
企業とは、一本の木に例えることが出来ます。
これまでの「垂直型」の企業のように、ただ上に上に幹を伸ばして行ったところで、下の葉には日光は当たらず、どんどんと枝から離れていくだけです。
しかし、その成長を上に伸びる幹にではなく、水平に伸びる枝葉に回してやればどうでしょう。広く大きく横に伸びていく木には、その葉の一つ一つにまでしっかりと日光が当たり、いつまでもたくさんの葉を茂らせることが出来るはずです。
これからの企業は、この広く茂った木のように、社員一人一人にしっかりと日光が当たり活躍と利益を与えることが出来る企業であるべきなのかもしれませんね。
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LeverageShare編集部
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